染め直し 作業の流れ

セリーヌのラゲッジ

革製品の染め直しの作業手順をご案内しております。
綺麗な仕上がりのために、クリーニング→脱脂から色調、ペイント、そして仕上げまで全部で7つの工程で作業をしております。

こちらはセリーヌのラゲッジ。
色はアイボリーですが、日焼けや色あせ、汚れなどで変色しています。革の状態はとても良く、バッグ自体は傷んでいませんので染め変えて、リフレッシュ!
今回はお客様のご希望でツヤは敢えて出さず、マット(つや消し)なくろへ染め変えます。

STEP1 〜クリーニング〜

Step1:手洗いで丁寧にクリーニング

まずは専用洗剤を使って全体をクリーニングします。染め変えに向けての最初の作業ですが、この作業をしっかりとやることが仕上がりに大きな差を生み出します。
革を痛めないように、汚れやシミを手洗いで丁寧に落としていきます。

STEP2 〜脱脂作業と下地つくり1〜

Step2:脱脂作業

クリーニングが完了したら続いて脱脂作業を行ないます。
脱脂作業とは革の油分を取り除く作業。油分が残っていると乾燥後に塗料が剥離するなど、新しく染める色の定着に影響してしまいます。
そのようなことがおこらないように、しっかりと脱脂を行ない塗料が定着する下地を作っていきいます。

STEP3 〜下塗り〜

Step2:脱脂作業

黒に染め直す場合は、最初に液体塗料で革の内部まで塗料を浸透させて下地をつくります。
黒や茶系以外は無色で下塗りをします。

STEP4 〜下地の仕上げ〜

Step4:下地の仕上げ

下地塗が終わったら革用面の塗料を落とします。非常に目の細かいサンドペーパーを使い、革の表面をなめらかにしていきます。
深いキズなどがある場合には、革専用のパテを使いキズを埋め、表面をキレイに均すことで仕上がり時にムラが出ないようにする大切な作業です。

STEP5 〜調色と色付け作業〜

いよいよ、本番です。
調合した塗料をエアーブラシやスプレーガンを使ってバッグに色をつけていきます。
細かい箇所には塗り残しの無いように、筆を使い手塗りで仕上げていきます。全体の着色が完了したら、無色塗料でコーティングをします。

ファスナー生地は黒でしたら着色できます。
ただ塗料を含ませるためファスナーの動きが若干悪くなる場合がございます。
この点をあらかじめご了承ください。

Step5:調色と色付け作業 Step5:調色と色付け作業

STEP6 〜乾燥〜

Step6:乾燥

1日〜3日程自然乾燥をして、しっかりと色を定着させます。
マット(つや消し)仕上げはしっとりとした高級感があります^^

STEP7 〜仕上げ〜

Step7:仕上げ

専用の保革クリームで自然なツヤと革に栄養を与えます。
最後の乾燥を経て、お客様の元へお届けいたします。

マットブラックに染め変え完成

マットブラックへの染め変え完成です。
ツヤをおさえ、しっとりとした感じで革質にもあっていますね。

当工房で使用している塗料はUSA航空機内のシートにも使われている最新テクノロジーの水性塗料です。
連邦航空規則をクリアした安全な塗料で、塗料皮膜も薄く、革の通気性もほとんど損なわないので、革も呼吸でき保革オイルもしっかり浸透します。

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